2022春EGOK団体の部 レースレポート

配信アーカイブはこちらから(一定期間が過ぎると以下のリンクでは視聴できなくなる可能性があります)
yutsuki_japan_esailor - Twitch

 

先週の月曜日、EGOK団体の部がかろうじて終了しました。はい、(いろんな意味で)終わりました。
運営に協力してくれたやさしい皆様には今回ももちろん落ち度はないですし、とてもすばらしい運営をしてくれました。しかしながら、あいかわらず私の準備不足、考え不足でトラブルにうまく対応することができませんでした。「無料の大会って聞いて参加してみたけど所詮はこんなものか、もう参加しないかな」と思われていたらどうしようと不安でなりません。

需要があるのならできるだけ多くの参加者を受けいれよう、ということで18団体(54人)までエントリーを募集したのですが、やはりこの数になると、運営の負担軽減(≒大会進行の速さ)とフォーマットの質のどちらを取るかが悩ましくなります。今回はフォーマットをシンプルにすることを選びましたが、少し運営の仕事を増やしてでも、公平さをより保証できるフォーマットを用意すべきでした。
今回参加した選手の皆様、次こそはもっと良い大会にしていくので、これからも参加してくれるとうれしいです。他のレースオフィサーの方の意見を参考にしつつ現時点で考えている次回のフォーマット(8団体以上参加の場合)はこんな感じです。


①グループ分け用レース
R1:各団体から1人ずつ出場してフリートレース×3フリート同時進行(メンバー全員が出走)
R1の合計得点で順位をつけ、3グループに分ける場合は、1,6,7,12,13,18位のグループ、2,5,8,11,14,17位のグループ、3,4,9,10,14,15位のグループに分ける。2グループ(12団体以下)の場合は、1,4,5,8,9,12位のグループと2,3,6,7,10,11位のグループに分ける。
R1の得点はR2のグループ分けと、R2以降の成績でタイを解けなかったときにしか使わず、最終成績に含まない。

②複数グループでチームレース
R2,3:R1で分けたグループで各団体3艇出しのチームレース
R3終了時の総合順位で、上記の分け方でグループをシャッフルする
R4,5:同様にチームレース
R5終了時の総合順位上位6団体が決勝レース進出
(R2~5で各団体メンバー1人だけ1カットか、メンバー全員1カットかは考え中です。メンバー全員1カットのほうが圧倒的に楽ですし、スタートに間に合わないときにカットで対応しやすいですが多いような気も)

③決勝レース
R6,7:6団体3艇出しのチームレース
R2~7の合計得点で順位を決める。
・タイの解き方
R7の点数が良いほうを上位とする。R7が同点の場合、R6の点数が良いほうが上位とする。
それでも解けない場合は、カットした点数を含んだR2~5の各団体の点数を、最もよいものから順に並べて、最初に違いのある点で最も良い得点の団体を上位とする。それでも解けない場合、R5の点数が良いほうが上位。それでも解けない場合はR4,3,2の順に比べていく。
それでも解けない場合はR1の総合順位が良いほうを上位とする。それでも解けない場合は、R1の3人の成績を最もよいものから順に並べて、最初に違いのある点で最も良い得点の団体を上位とする。それでも解けない場合、それらの団体は同じ順位とする。


ここから本題のレースレポートになります。

 

(選手名、団体名は敬称略)

今回は過去最多の18団体エントリー、16団体出艇となりました。団体の部を2連覇している横国大や、2連続2位の東工大をはじめ、成長を続ける北海道、インカレ強豪の早稲田、慶應大(初)、同志社(初)などが集まり、結果を予測することは難しかったです。団体の部初出場は他に都立大、早稲田ウィンド、高知大、東京大、広島大と多く、番狂わせもありえました。
個人の部のレースレポートに書いたとおり、今回の団体の部はJ/70のみ。

【フォーマット】

EGOKの過去成績を考慮しつつ、3グループに分ける

※同校から2チーム出場している場合は別グループになるように分ける

 

Race1~6:J/70    Upwind M

6レース中、メンバー1人だけ1カット(不慮の通信切断対策)

(各グループの団体数が揃わなくてもそのまま行う。DSQ等の点数のみ、一番団体数が多いグループに合わせる)

上位6団体が次へ

Race7~8:J/70    Upwind M (ノーカット)

 

レース展開を振りかえっていきますが、今回は個人の部よりもおおざっぱになります。理由としては、私KG-Rは大会進行中、ほぼすべての時間を成績表の記入や確認に追われていて、最初の6レースはほとんど見られなかったのと、成績表のデータがあまりにも多く、カットもばらばらに混じっているのでどういう展開だったかよくわからないからです。
a,b,cの3グループに分かれておこなったR1~6、いわゆる予選レース。諸事情により参加できなくなった団体が事前に2つあったため、a,cグループは5団体、bグループは6団体で進めることになりました。団体数に多少の差があっても優勝争いをするチームには大きな影響はないだろうということで、団体数を揃える進め方をとらずに進行しました。

個人の部で活躍していた選手が2名いる慶應大は初出場ながら良いスコアをまとめていきましたが、他の初出場団体が大暴れして上位にくいこんでいく、といった展開はありませんでした。しかし、思わぬ大暴れがありました(これが冒頭で反省することになった理由になります)。
R3までは大きな問題なく大会は進んでいました。それはR4に起こりました。cグループは序盤から2人ほどDNCやDSQになりながらも何とか進んでいました。ところがR4はスタートでいくら待っても4人来ず、終わってみると2人がDSQで、完走したのは9人だったのです。一方その頃、6団体いるbグループでは17,18艇が安定して元気に完走していました。aグループも14,15艇が毎レース完走していました。cグループはその後、1団体(初出場)から早退連絡を受け、もう1団体(初出場)は謎の失踪で音信不通、R5,6は9艇で走ることになりました。

グループの数をR5以降揃えることができればよかったのですが、途中で団体数を調整するルールを作ってなかったですし、ロールを付けなおすのはかなり大変ですし、なにより艇数が一番多いbグループがすでにR6のスタート準備に入っていたのでどうすることもできませんでした。それに私は成績表をつきっきりでお世話していたので対応ができませんでした。

そんなこんなで終わった6レース。横国大Aは、R4で1,2,3フィニッシュを決めたこともあり暫定1位に。暫定2位は横国大と4点差で北海道A。その後ろには、慶應大、横国大Bと僅差で続いて、この4団体で優勝争いという感じになりました。この4団体とは大きな点差はありましたが、室工大、東北医も最後の2レース(決勝レース)に参加しました。

R7は混戦で、優勝候補4団体はほぼ互角でした。そんななか北海道Aがうまくまとめ1位に浮上。横国大Aはやや苦戦して2位に落ちましたが、優勝は狙える点差。慶應大、横国大Bは優勝は難しそうですが2位は十分に狙える点数でした。このレースは序盤まで東北医の選手2名がレースをリードしていましたが、そのうちの1名muimuiが通信切断に見舞われてしまいました。

運命のR8。横国大Bが若干良さそうな状態でレースは始まりました。横国大Aは少しきつそうな展開でしたが、何が起こるかはわかりません。慶應大も2艇が良いところを走っていました。暫定1位の北海道Aは2艇がフリートの中に埋もれてましたが決してやらかしているわけでもなく、もう1艇のkoheiがレース前半で1位をほぼほぼ決めていました。
最後の2レースはスコアラーの仕事が落ちついたのでリアルタイムで観戦しましたが、本当に最後の最後までおもしろかったです。前回の団体の部よりもまたひとつフリートのレベルが上がっているような気がしました。優勝団体はなんとなく途中でわかりましたが、2位以降の順位は成績表を更新するまで全然わかりませんでした。

優勝したのは、北海道A。北海道Bもエントリーしていたのですが、メンバーが1人集まらなくなり直前にキャンセル。北海道大学からは1団体の出場になったため「A」は消してもよかったのですが、北海道Bで出場予定だった仲間の思いも背負っていると思い残しました(運営側の混乱を防ぐためでもありますが)。これまで表彰台に上がれなかった悔しさからか、急成長を遂げました。なんとメンバーは全員1年生(当時。2023年度から2年生です)。快挙です。
2位をつかみ取ったのは、横国大B。同大会個人の部の2位アントマンと3位DNS-Yuko/600円が所属していることもあり、優勝に一番近いチームと思われましたが、決勝レースで北海道Aとの差を縮めることはできませんでした。それでも、予選レース終了時から2つ順位を上げてきたのはすばらしいです。実力だけでなく、賞金への執念も必要なのかもしれません。
横国大Aは、なんとか3位にとどまりました。慶應大とは同点でしたが、タイを解いた結果、慶應大が4位となりました。横国大Aは予選レースで調子が良すぎたせいか、決勝レースは苦い成績となりました。相当なプレッシャーがかかっていたことでしょう。慶應大のメンバーは全員2年生(当時)とまだまだ先があるので、今後のEGOKにも優勝目指してぜひ参加していただきたいです。

5位は東北医。個人の部優勝経験者であるmuimuiがチームレース戦術で場を荒らしたり、morinao52が3回1位を取ったりと、何かと注目を浴びた団体でした。
6位は室工大。前回大会の12位から6つ順位を上げ、MJU賞を獲得しました。今回出場したメンバーは全員1年生(当時)。今後どこまでレベルアップしていくのかが楽しみです。


2022春EGOK団体の部 レース写真&成績表