2022春EGOK個人の部 レースレポート

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今週の月曜日、EGOK個人の部が無事に終了しました。いえ、運営としては無事ではなかったです。
最初の2レースで、リスタートするのが非現実的であることに気づいてルール変更をしたり、2レース終了後のフリートシャッフルで時間がかかってしまい、3レース目のスタートが第1レース開始から約1時間後になってしまったりと、もう選手に合わせる顔がない、と冷や汗が止まりませんでした。しかしその後は予定していたペースを取り戻し、日をまたぐ1時間前には全レースを終了させることができました。

(選手名は敬称略)
前回の秋大会のトップ3選手、kaikun(慶應大)、iwaryo(東工大)、DNS-Yuko/600円(横国大)が今回も揃いました。
また、他の常連選手や多くの初参加選手が集まったおかげで、これまでの個人の部で最多の40エントリー、37出艇となりました。中央大、高知大、早稲田(ウィンドサーフィン部)は初出場です。
今回使用した艇種は3つ。J/70、49er、Star。Starは秋大会の団体の部に採用していましたが、今回は団体の部から個人の部へ移してみました(団体の部は、選手の参加しやすさ的にも運営の都合的にもシンプルなフォーマットがいいだろうということで、J/70のみに戻すことにしました)。

【フォーマット】

(ランダムで2フリート分け)

Race1:J/70    Upwind M

Race2:J/70    Upwind M

(総合順位の奇数位と偶数位で分けなおし)

Race3:49er    Upwind L

Race4:49er    Upwind L

(同じ方法で分けなおし)

Race5:Star    Upwind S

Race6:Star    Upwind S

ここで1カット

上位19名が次へ

Race7:49er   Upwind L (ノーカット)

上位10名が次へ

Medal:J/70    Upwind M (ノーカット、ダブルポイント)


最初の2レースでリードしたのは、連続ピンのiwaryo。oppy4032(横国大)や風邪ひいたスナイパー(中央大)も好調で、4位以降は団子状態でした。
続くR3, 4では、実力のある選手たちが安定感を見せました。1カットがあることを考えると、iwaryo、DNS-Yuko/600円、アントマン(横国大)がリードする形で、以降はやはり僅差で大量の選手が並んでいました。R3はCLM26rei(滋賀大)、R4はdaiichi(北海道)が輝いていました。
最も成績が荒れる艇種の1つであるStarをR5, 6に持ってきたのは少し悪い気もしましたが、展開が予測しにくいほうが観客にとっては楽しいだろうと思ったのでそうしました。ここで圧倒的な成績を残したのは2レースを3点でまとめたshiba31376(横国大)。一気に優勝争いに食いこみました。他には、Sabosan(滋賀大)のR4トップフィニッシュや、R4まで苦戦していたDaniellll(都立大)の3位-5位などが目立っていました。

 

R7は参加者が約半分の19名に絞られ1フリートで行われました。ノーカットのため、優勝を狙う選手は必ず前を走りたいところ。しかし、R6終了時点で1位だったDNS-Yuko/600円はスタートでややへこみ、フリートにのまれがちになり10位までしか戻ってくることができず、これまでのリードを失うことに。他の優勝候補たち(アントマン、kaikun、shiba31376、iwaryo)はきっちり上位を走り、優勝へと1歩前進しました。

メダルレースはさらに10名に絞られ、全体の出艇数を考慮してダブルポイントとなっていました。
優勝候補たちのスタートはほぼ互角。その他の選手もすばらしいスタートとコース引きを見せていました。1上の厳しいコース引き合戦をからくも制したのはiwaryo。kaikunがポートアプローチでねじこもうとしますがiwaryoと接触してペナルティを受けてしまいました。しかし、その後は冷静な動きを見せ3位をキープ。アントマンやSabosanは1上マーク直前まで前を狙えるポジションにいましたが、上マーク~オフセット付近での相次ぐペナルティで沈んでしまいました。混乱に乗じて、"じゃまーる"は2位に浮上、クローズ中に1ペナルティ受けてやや沈んでいたDNS-Yuko/600円は4位に浮上。shiba31376は5位で粘っていました。

ここからレースは怒涛の展開を見せます。あまりにも順位変動が激しかったのでここからは大ざっぱに書いていきます。
1下ゲートマークの回航時にはiwaryo以外の艇が塊になり、kaikunはそのときのケースでかなり厳しい順位まで落ちてしまいました。
2上帆走時の風の変化は強烈でした。レグ中盤の大きな右振れで、shiba31376やSabosanが急浮上すると思いきや、2上終盤には大きく左に振れ戻り、"じゃまーる”やDNS-Yuko/600円が元いた順位まで戻ってきました。ほぼすべての選手が2上帆走中のタックポイントにひどく悩んだと思います。
2上マーク付近で1艇にトラブルがあったようで、4位以降は混雑していました。その間にじわじわと迫っていたアントマンが4位まで戻ってきました。1下マーク回航時9位からの大復活です。しかし、1位を独走するiwaryoとの点数差を考えると優勝にはあと1点届きません。
DNS-Yuko/600円は"じゃまーる"をフィニッシュ直前で抜かしましたが、R7終了時点でiwaryoと同点のため優勝まで2点足りませんでした。アントマンも4位のままフィニッシュ。


iwaryoは4年生の選手で、今回が参加できる最後のEGOKでした。前回大会の準優勝から1つ順位を上げ、悲願の優勝です。

2位~4位は、横国大の選手(2位 アントマン、3位 DNS-Yuko/600円、4位 shiba31376)が占めました。これまで団体の部を連覇している大学のため層の厚さはさすがですが、個人の部での優勝はまだありません。次こそ優勝なるか。
前回優勝のkaikunは5位。メダルレースの途中までは優勝を狙える位置にいたからこそ、悔しさも大きいことでしょう。
6位は"じゃまーる"。後半の伸びがすばらしかったです。前回大会の4位から少し落ちてしまったものの、安定感が光ります。

7位はoppy4032。中盤以降は伸び悩んだようですが、いい戦いぶりでした。
8位のSabosanは1年生。今回の1年生トップ選手であり、前回大会から10個順位を上げてMJU(Most Jumping Up)賞(賞金)を獲得した選手でもあります。今後のさらなる成長に期待です。
9位のhrstsk(慶應大)、10位のりくちる(早稲田)はEGOK初出場ながら大健闘。インカレ強豪校の選手が少しずつ増えているようです。


2022春EGOK個人の部 レース写真&成績表