EGOK2024秋 レースレポート

これでもかと暑い日が、これでもかと毎日のように続くなか、EGOKの秋期大会が行われました。

 

この時期は、年に一度のVRI大型アップデートがあり、ゲームが改善されたり、仕様が変わったり、新たなバグが発生したりします。昨年はそれで痛い目をみましたが、今年はほとんどの選手が大きな問題なくレースに参加できました。

あとは大会前、「カスタムレースが最大40人で、遊べるのかい、遊べないのかい、どっちなんだい!」という状況だったのですが、どっちのパターンにも対応できるように準備していたので、そのあたりもスムーズにいけました。

 

運営に関しては、今回もセッター(レースを立てる人)はすべて選手が引き受けてくれました。FUNe_Yukoさん(横国大)、Tim/6518さん(早稲田)、eimaさん(横国大)、ありがとうございました。

スコアラーは(院生含む)社会人eセーラーが担当してくれました。iwaryoさん、FC RICHさん、Sohei NIPPONさん、ありがとうございました。

 

運営をできるかぎり学生に任せるのが理想なので、スコアラー(Sailranksに成績記入する人)も協力していただきたいなと考えています。作業量的に選手が兼ねるのは難しいので、出場しない方にお願いしたいです。今後はこちらからも積極的に呼びかけていきますが、出場選手の方にはぜひ周りの部員に声をかけていただきたいです。

セッターやスコアラーの方には、1回(個人で1回、団体で1回)につき2,000円分の謝礼をご用意しています。今後はそれに加えて、運営協力者を出していただける大学に、参加枠の追加や日程調整の優先などの特典をつけようと考えています。

 

さて今回のレポートも、2部門まとめてレースを振り返っていきます。(以下、敬称略)


・個人の部

エントリー期間前から、まもなくカスタムレースが最大40人で遊べるようになるとの情報が出たり、7月の少しの間だけ実際に40人で遊べたりしたので、本当は最大80人で募集をかけたかったです。大会当日にどうなるか分からなかったので、60人までで募集をかけたところ、なんと67人のエントリーが集まりました。新規の大学が増えたというよりは、各校の出場枠を増やしたことが大きいと思います。最終的に、カスタムレースは最大20人の仕様で当日を迎えました。

 

以前41人以上の大会を3フリート進行でやったことがありますが、運営に苦しんだ経験があったので今回は最初からゴールドフリートとシルバーフリートに分けて実施しました。シルバーフリートの優勝は 剛力彩芽さぶ(東工大)でした。以下の文章は、ゴールドフリートのレポートになります。

 

各大学のうまい人を上から順に1~4人集めたゴールドフリートは、最初の5レースを前回と同じ方法で2フリートに分けて進めました。R1では各大学の新旧選手が上位に入りました。

R2でも混戦模様が続きましたが、この時点で飛びぬけてきたのが、2連続トップの yaaaaaaaa(東工大)。EGOK新人戦のチャンピオン、前回の春期大会8位、JVRICの練習会などで上位多数など、要注目の選手。

その後ろには4点の kuyc_31471(京都大)、6点の トッティ&tottexi(横国大)など、表彰台常連が続きました。1桁得点はもうひとりいて、8点の JPN4244(広島大)。新しい時代がやってきているのを感じました。

 

R3,4では FUNe_Yuko が連続トップでいっきに前に出てきました。yaaaaaaaa はR3が響きやや失速しますが、1カットを含めると1位をキープ。トッティ&tottexi は安定していて、カットなしでは最少得点。前回4位の kohei(北大)も急上昇して優勝争いに参加。他には、あつかん(東工大)、Ekurea(東工大)、khana_1125(工学院)がこの2レースで順位を大きく上げました。

 

R6に進む選手が決まるR5は、優勝候補の選手たちは無難な点数でまとめ、yaaaaaaaa、kuyc_31471 が11位で同点、後ろにFUNe_Yuko、トッティ&tottexiが並びました。koheiはまさかの横文字で少し遅れをとりました。

表彰台を狙える選手は他に、kuyc29219(京都大)、RX-0 UNICORN(北海道)、kou6622(東農工)、Souma6710(横国大)、Oh! どみbinbin(横国大)、tOKyooooo(東工大)、daiichi(北海道)とたくさんいて、5~12位の6点差の中に詰まっていました。前回大会のR5までの成績と比べてみると、同じ位置にいる選手の点数分布は似ていますが、選手はほとんど一新しています。

 

上位20人のR6は恒例の49er。kuyc_31471 が1位を取り、総合1位に。2位のFUNe_Yukoとは4点差、3位のトッティ&tottexi とは8点差つけました。yaaaaaaaa は第2線スタートから上位に抜けだすことができず総合6位に後退。北海道の RX-0 UNICORN と daiichi は2&3位を取り、仲良く総合4&5位に浮上。表彰台争いはこの6人に絞られました。

 

メダルレースのスタートは比較的穏やかでしたが、RX-0 UNICORN がスタート直前にペナルティを受けて失速。

スタート後、右側では kuyc_31471 と FUNe_Yukoがにらみ合い、左側では、1点差で並んでいる daiichi と yaaaaaaaa が間に1艇挟んで緊張状態を作っていました。トッティ&tottexiはスタートでやや出遅れながらも、艇団の左端まで行って復活を狙う態勢に。

 daiichi が1上トップになりそうでしたが、最後の左振れで Oh! どみbinbin と FUNe_Yuko が前に出ました。そして daiichi のすぐ後ろには yaaaaaaaa。左に寄せたくても寄せられなかった右端の kuyc_31471は7位まで後退、目の前にはトッティ&tottexi。

 

1下はそれぞれ競うべき相手を意識しているようなコース引きでしたが、風が強かったせいかそこまで大きな順位変動はありませんでした。重要なのはマーク選択でした。

2上の風は、やや小さく長い右振れ→やや小さく短い左振れ→大きく長い右振れという展開で、右海面に寄せていた選手が好調でした。FUNe_Yuko は上マーク直前で1位に。daiichi は1下回航時に yaaaaaaaa に抜かれていましたが、コースで抜きかえし3位に戻ってきました。トッティ&tottexi、kuyc_31471 は中盤から上がりきれない苦しい展開が続き、kuyc_31471はリーチングレグで風下艇と接触して受けたペナルティが致命傷に。

2下では、オフセットまで2位だった Oh! どみbinbinが即ジャイしそこね、 即ジャイした daiichi がその位置関係を活かして最終的に逆転。yaaaaaaaa、トッティ&tottexi は順位の変動なし。RX-UNICORN は8位まで回復したもののライバルたちははるか前。そして kuyc_31471 は、オフセット回航時にジャイブができず左海面にずるずると追いやられブランケをかけられ9位フィニッシュ。

 

優勝は、勝負強さを見せ2位以降を圧倒的に突きはなした FUNe_Yuko。2大会ぶり2度目の優勝です。

準優勝は、最後の2レースでいっきに追い上げた daiichi。初の表彰台です。大学最後の年についに花開きました。

3位は、前回優勝者のトッティ&tottexi。daiichi とは1点差。今回は最後伸び悩みましたが、今後もしばらくEGOKを盛り上げてくれる存在であることは間違いないでしょう。

4位は、トッティ&tottexiと同点で kuyc_31471。2~4位は、あと1つでも順位が良ければ・悪ければ、という僅差でした。

5位は、期待の星 yaaaaaaaa。まだ2年生とのことなので、さらなる成長が楽しみです。

6位は、同じく2年生の Oh! どみbinbin。1位こそなかったものの、メダルレースで大活躍でした。

8位の kuyc29219 も2年生。EGOKの未来は明るそうです。


・団体の部

エントリーは19チームで、当日参加は16チーム。個人の部と同じ要領での開催を考えていたのですが、開催前日、急遽カスタムレースが最大40人仕様になりました。前日夜に40人カスタムレースに異常がないかを確かめ、ゴールドフリートを13チームで行うことにしました(当日は1チームキャンセルで12チーム)。この規模でのチームフリートは、おそらく世界初の試みです。

 

シルバーフリートの優勝は東京大Cでした。以下の文章は例によってゴールドフリートのレポートになります。

 

7大学から1~2チームが出そろった12チームで、6レース1カット。

FUNe_Yuko、トッティ&tottexi のいる優勝候補の横国大Aは、R1からさすがの安定感で前に3人まとまり19点。独走かと思いきや、そこに待ったをかけるのが広島大A。1-4-12 の17点で1位に立ちます。配信しながら観戦していた私は度肝を抜かれました。

これは後々気づいたことですが、横国大Aが同じところからまとまってスタートする傾向があるのに対して、広島大Aは3艇がバラバラのところでスタートする傾向があり、その戦略の違いが興味深かったです。

 

R2,3も好調が続いたのは横国大Aのみで、2位以降と大差をつけてリード。2、3位争いは、爆発力のある広島大A、Abr-jin-100& が絶好調の横国大B、団体優勝経験メンバー+daiichi の北海道A、yaaaaaaaa や剛力彩芽さぶのいる東工大A、東京大Aより速い東京大Bの5チーム。

 

R4では、広島大Aが25点と勢いを取り戻しましたが、それよりもよかったのが北海道の 1-7-9 で17点。5点差で北海道Aが2位に。一方、横国大Aは51点、横国大Bが65点と振るいませんでした。

R5は、もういちど横国大Aが最小得点におさえました。暫定2位の北海道Aも善戦しましたが横国大Aと50点差をつけられてしまいました。広島大Bは56点と苦しく、2位の北海道Aには離され、後ろの東工大A、横国大Bにはだいぶ追いつかれました。東京大Bは少し失速したものの、ギリギリ3位が狙える位置で耐えました。

 

手に汗にぎる最終レース。広島大Aがスタートで2艇出遅れ、もう1艇は大きな振れが来ない左海面に伸ばして艇団にのみこまれ大ピンチ。本部船寄りから3艇とも好スタートを決めたのは2チーム。

横国大Bは上マークで1&2位を決め、もう1艇も10位くらいで回航。北海道Aは、3-6-7で回航。上り途中1度ペナルティを受けた RX-0 UNICORN がその後の冷静な対応で復活したのと、個人の部準優勝から波に乗っている daiichi の安定感が見どころ。先に書いておくと、daiichi はR6終了後の個人成績でトップでした。

東京大Bも2艇は前のほうを走っていたので悪くはなかったのですが、相手がそれ以上に早かったので表彰台は厳しくなりました。

東工大Aは序盤から3艇とも中盤で埋もれてしまい、表彰台争いから離脱となりました。

 

1下以降でも白熱した展開が続きましたが、大きな順位変動や争いはなくフィニッシュ。

優勝は、大学として3連覇中の横国大A。R6では調子を崩しましたが余裕を持っての1位です。

準優勝は、約1年半ぶりに入賞した北海道A。今期EGOKの主役は、間違いなく daiichi でしょう。他2人も大きなミスなく走りきり、カットされた点数が最も小さいチームでした。

3位は、最後に見せ場を作った横国大B。R6の15点は今回最も小さい得点です。Abr-jin-100& が個人成績4位の大活躍でした。

4位は、これからが楽しみな広島大A。団体の部3回目の出場にして、早くも表彰台を狙えるチームになってきたのは運営としてはうれしいかぎりです。


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